Japanese
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特集 21世紀の心不全治療の展望
心不全の抗サイトカイン療法
Anticytokine Therapy for Heart Failure
松森 昭
1
Akira Matsumori
1
1京都大学大学院医学研究科循環病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Kyoto University Graduate School of Medicine
pp.1007-1013
発行日 2002年10月15日
Published Date 2002/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902545
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サイトカインは,細胞の増殖,分化,活性化を調節するうえに重要な働きをすることが知られているが,最近の研究により種々のサイトカインによって心筋細胞が機能的な障害を受けることが明らかとなった1,2).また,心不全,心筋梗塞,心筋炎,心筋症などで血中のサイトカインが高値を示すことが報告され,これらの疾患の発症や病態との関連が注目されている.
われわれは,心不全を免疫応答,特にサイトカイン調節の異常という観点から捉え,抗サイトカイン療法が心不全治療に新しい展開をもたらすものと考えている.本稿は,このような新しい観点から心不全の病病生理を理解し,新しい抗サイトカイン療法開発に向けて論じたいと思う.
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