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綜説
急性心筋炎における免疫グロブリン大量療法
High-dose Intravenous Immunoglobulin Therapy in Acute Myocarditis
岸本 千晴
1
1京都大学大学院医学研究科循環病態学
1Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.697-703
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902502
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はじめに
心筋炎(myocarditis)とは,壊死を伴った心筋の炎症性疾患のことで1),ウイルス,細菌など種々の原因で生じる.原因不明(idiopathic)のこともあり,また全身疾患の部分症状として生じる(secondary)こともある.
心筋炎に対する治療のうち,ステロイドおよび免疫抑制療法に関しては以前より賛否両論があった.1995年に,アメリカで100例以上の確定診断された心筋炎症例を,プレドニン,サイクロスポリン,アザチオプリンを含む治療群と対照群に分け,約6ヵ月間治療し,その後5年間にわたって観察した多施設共同研究が発表された2).その結果,進行性心筋炎および慢性心筋炎に対しての免疫抑制療法の有効性はないことが明らかになった.一方,ポーランドのグループは,2年間の追跡調査で有効であったと報告した3).
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