Japanese
English
Bedside Teaching
拡張不全による慢性心不全
Diastolic Heart Failure
山本 一博
1
,
増山 理
1
Kazuhiro Yamamoto
1
,
Tohru Masuyama
1
1大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学
1Department of Internal Medicine and Therapeutics Osaka University Graduate School of Medicine
pp.407-411
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902459
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これまで,心不全の発症は左室収縮機能不全に基づくと考えられてきた.確かに左室駆出率低下は心不全患者の予後を規定する重要な因子である.しかし,近年に蓄積された知見から,心不全症例の約40%では左室駆出率が保持されており,このような症例における心不全発症は左室拡張機能障害のみによるとされ,このような病態を「拡張不全(diastolic heart failure)」と呼んでいる.左室収縮機能障害による心不全(収縮不全,systolic heart failure)に関する実験的,臨床的研究はこれまでに多くなされてきたが,拡張不全については,これだけ高頻度に認められているにもかかわらず,実験的にも臨床的にも未だ十分な研究が行われていない.
本稿では,拡張不全について,これまでに明らかにされている点を中心に概説する.
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