Japanese
English
Bedside Teaching
マクロライド耐性菌の現状と課題
The Existing State and Problems of Macrolide Resistance
川名 明彦
1
,
慶長 直人
2
Akihiko Kawana
1
,
Naoto Keicho
2
1国立国際医療センター呼吸器科
2国立国際医療センター呼吸器疾患研究部
1Department of Pulmonology, International Medical Center of Japan
2Department of Respiratory Diseases (Research Institute), International Medical Center of Japan
pp.897-902
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902349
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はじめに
1952年に土壌中のStreptomyces erythreusからエリスロマイシン(erythromycin;EM)が分離されて以来,マクロライド系抗菌薬(以下マクロライド)は半世紀にわたり広く使用されてきた.現在でも,マイコプラズマやクラミジア,レジオネラなどの治療にきわめて有用性が高いが,そればかりか最近,ますますマクロライドの臨床的重要性は増しているようにみえる.慢性下気道感染症や,慢性副鼻腔炎に対するマクロライド少量長期投与療法の確立や,胃潰瘍などでヘリコバクター・ピロリ除菌のためのクラリスロマイシン(clarithromycin;CAM)保険適用,さらに15員環のアジスロマイシン(azithromycin;AZM)が本邦でも発売されるなど,本系統薬剤をめぐる話題は近年きわめて多い.しかし一方,本薬剤の頻用を背景として,マクロライド耐性菌の増加が深刻化しているのも事実である1)
本稿では,呼吸器科領域で特に問題となる病原細菌を中心に,マクロライド耐性菌の現状についてまとめた.
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