Japanese
English
Bedside Teaching
自動式体外除細動器(AED)
Automated External Defiibrillator
三田村 秀雄
1
Hideo Mitamura
1
1慶應義塾大学医学部心臓病先進治療学
1Institute for Advanced Cardiac Therapeutics, Keio University School of Medicine
pp.903-907
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902350
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2000年5月20日,米国のクリントン前大統領がAEDをあらゆる連邦ビルや民間航空機に常備することを提唱し1),11月にはその法案が議会を通過した.AED,正式にはautomated externaldefibrillator(日本語訳は決定していないが,とりあえず自動式体外除細動器と訳しておく)は,日本ではまだ名前もきいたことがない,という医者がほとんどではないだろうか.ところが米国では急速な勢いで国民に知れ渡りつつある.それはこの小さな器械が,一般市民の手によって医者の力を借りずに突然死を救うことのできる唯一,かつ有効な道具として認知されたことによる.電気的除細動が,心電図の素養をつんだ限られた専門医師によるadvanced cardiovascular life support(ACLS,二次救命処置)であった時代は過去のものとなりつつある.2000年に改訂された新しい蘇生法のガイドラインでは,これは心臓マッサージや口対口呼吸などと並び,basic life support(BLS,一次救命処置)の主要な一手段として組み入れられた2).そして何よりもこのAEDの出現によって,またそれを素人が使うことによって,過去数十年間の,医者あるいは救急隊員を中心とした蘇生法とは比較にならないほどの救命効果をあげつつある3).
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