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綜説
非観血的冠攣縮誘発負荷試験—その有用性と問題点
Clinical Usefulness and Problem of Non-invasive Spasm Provocation Test
末田 章三
1
Shozo Sueda
1
1済生会西条病院循環器科
1Department of Cardiology Saiseikai Saijo Hospital
pp.889-895
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902348
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はじめに
冠攣縮性狭心症の最終診断は薬剤を用いた冠攣縮誘発負荷試験で血管造影上の冠攣縮を証明することである1〜6).しかし,非観血的検査で冠攣縮関与の有無が診断可能であれば,一部の症例で心臓カテーテル検査が省けるものと思われる.胸痛を主訴として来院する患者における冠攣縮の関与を的確に診断可能であれば臨床的に有用である.現在までに,非観血的冠攣縮誘発試験として寒冷昇圧負荷試験7〜9)・過換気負荷試験9〜13)・運動負荷試験8,4,15)が報告され,臨床使用されている.活動度の差異もあり,外来で有効に冠攣縮を再現するにはかなり困難を要する.わが国では,欧米人に比して冠攣縮の関与が2〜3倍高く16〜18),診断確定で心臓カテーテル検査にまで至る症例を少なからず認める.外来で施行可能な非観血的冠攣縮誘発負荷試験の有用性と問題点を過去の報告とわれわれの成績を対比させ検討した.
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