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特集 大気環境と肺疾患
わが国の大気環境の現状と微小粒子状物質の生体影響
A State of Air Pollution in Japan and Effects of Fine Particle Matter
工藤 翔二
1
,
牧野 国義
2
Shoji Kudoh
1
,
Kuniyoshi Makino
2
1日本医科大学第4内科
2東京都立衛生研究所環境保健部
1Respiratory Medicine, Nippon Medical School
2Department of Environmental Health, Tokyo Metropolitan Research Laboratory of Public Health
pp.655-659
発行日 2000年7月15日
Published Date 2000/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902117
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はじめに
高度経済成長初期の“四日市喘息”に始まるわが国の大気環境問題は,光化学オキシダントの時代を経るなかで,二酸化硫黄の規制に成功したが,窒素酸化物の規制は横ばい状態であり,さらに主たる汚染源も固定発生源から自動車増加による移動発生源と変化している.今日,最も大きな課題は,浮遊粒子状物質,なかでも呼吸器系の深部に到達する微小粒子状物質への対策であり,その原因物質としてディーゼル排気由来の粒子(DEP)が注目されている.
本稿では,わが国の大気環境の状況を歴史的に俯瞰し,今日の課題をまとめてみた.
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