Japanese
English
解説
大気汚染物質について
On the Air Pollutants.
長岡 滋
1
Shigeru Nagaoka
1
1都立広尾病院第1内科
1The 1st Dept. of Internal Medicine, Toritsu Hiroo Hospital.
pp.393-394
発行日 1965年5月15日
Published Date 1965/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201451
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〔はじめに〕
産業の発展にともなって,我々をとりまく空気が徐々によごれつつあることは,今やまぎれもない事実である。しかし,この大気汚染の状況および汚染物質の性質は,ひとしくこの問題になやまされている各地の,歴史,気候風土,生活習慣などによって影響をうけ,多様な様相を呈している。
すなわち,早くから石炭を利用していた英国などでは,かなり以前からその燃焼による空気のよごれが認識されていたし,また,最近の社会では,石油系燃料の燃焼にともなう空気の汚染が漸く重要視され,とくに大都市では,自動車の排気ガスの問題が大きくとりあげられるにいたった。さらに,寒冷期と暖房による汚染,風による汚染物の運搬,紫外線による窒素の酸化物の光化学反応の結果のオゾンの生成,逆転層とスモッグ発生との関係など,大気汚染に影響を与える汚染物質以外の因子は枚挙にいとまがない。
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