特集 環境アセスメント
大気に関する環境影響評価
鈴木 伸
1
,
阿部 史朗
2
1千葉大学環境化学(工学部)
2放射線医学総合研究所環境衛生
pp.429-434
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205635
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I.環境影響評価ということ
わが国の環境庁によれば,環境影響評価については,「開発行為等が空気,水,土,生物等の環境に及ぼす影響の程度と範囲,その対策について代替案の比較検討を含め,事前に予測と評価を行なうこと」と定義している.また国連環境部は,環境アセスメントを「人間の行動が環境を変える恐れのある時,どうしたらよいかを確認し,予測し,分析し,公表する行動」と定義している.
これらの定義は,両者の間の重要な差異を端的に表わしている.アメリカではEnvironmental Impact Assessment(EIA)とEnvironmental Assessment(EA)を区別して,前者は特定の事業等によって環境に与える影響を考え,後者はより広い意味で環境の現状把握を行い,将来予測につながるもので特定の原因にはこだわる必要はない.本題の「大気に関する環境影響評価」はまさしく前者の大気関係のことであり,大気に特定すれば,はじめに引用した環境庁の定義そのものといえよう.
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