Japanese
English
綜説
嚥下性肺炎
Aspiration Pneumonia in the Elderly
関沢 清久
1
Kiyohisa Sekizawa
1
1筑波大学臨床医学系内科
1Department of Respiratory Medicine, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba
pp.1013-1017
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901978
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はじめに
わが国における肺炎,気管支炎による死亡は死因別死亡率で第4位,男性に限ってみると第3位を占める.肺炎による死亡者を年齢別にみると,65歳以上の高齢者が約92%であり,肺炎による死亡のほとんどが高齢者であることが示されている.さらに横軸に年齢を,縦軸に死亡率をとると,72〜73歳ぐらいから死亡率が急上昇する(図1).昨今の平均寿命の延長は,必然的に高齢者人口の増加を伴い,2020年には人口の約25%,実に4人に1人が高齢者で占められると予測されている.したがって,肺炎が高齢者にとり死に至る病である限り,肺炎による死亡が今後更に増加すると考えられる.高齢者肺炎は繰り返し起こる,最初から抗生剤に抵抗性の起炎菌により発症するなど,若年者にみられる肺炎とは異なる特徴を有する.したがって,抗生剤による治療には限界があり,新しい治療法の開発が要望されている.そのためには,高齢者肺炎発症機序とそれに基づく対策が必要である.
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