Japanese
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特集 機能異常からみた呼吸器疾患
気管支炎・肺炎
Mechanisms of Pneumonia in the Elderly
関沢 清久
Kiyohisa Sekizawa
pp.901-905
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100091
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はじめに
わが国における死因別死亡率の年次推移をみると,肺炎はずっと第4位を占めている(図1).近年,医学の発達は著しく,それに伴い多くの種類の抗菌薬が大量に作られている(図2).それにもかかわらず,肺炎による死亡は減少せずむしろ増加の傾向にある.肺炎による死亡を年齢別にみると,65歳以上の高齢者と呼ばれる人たちが92%を占めている.したがって,肺炎による死亡はほとんどが高齢者に起こるといっても過言ではない.言い換えると,若年者の肺炎は抗菌薬開発の恩恵を受け死亡者が激減したが,高齢者の肺炎による死亡は抗菌薬では減らすことができないともいえる.年齢と肺炎による死亡をもう少し細かくみると,肺炎による死亡は75歳以上から急に増加する(図3).すなわち,後期高齢者といわれる人たちに肺炎による死亡が多いわけであるが,2020年には日本の人口に占める高齢者の割合が25%,4人に1人となると予測されている.超高齢化社会を迎える日本では,今後ますます肺炎が重要な医療問題となると考えられる.以下,肺炎・気管支炎の発症機序は高齢者にみられる肺炎・気管支炎を対象とする.
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