臨床メモ
嚥下性肺炎
袴田 啓子
1
,
北原 光夫
1
1東京都済生会中央病院・内科
pp.1134
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219102
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嚥下性肺炎は臨床医がしばしば経験する疾患であり,重症になると死亡率が高い反面,十分な注意を払うことにより予防が可能な疾患であるという点で重要である.
嚥下性肺炎を考えていくうえでまず大切なことは,誤嚥を起こすような状況下にある患者にほとんどが合併しているということで,その状況とは意識障害あるいは嚥下障害である.原疾患については院内と院外では異なり,院外の場合は慢性アルコール中毒,肝疾患,けいれん,薬物中毒などである.院内においては脳血管障害,脳腫瘍,けいれんなど神経学的障害あるいは全身麻酔による術後の状態,食道癌などであり,イレウスの場合も誤嚥を起こしやすい.
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