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Current Opinion
急性心筋梗塞症—抗血小板療法の新展開
Acute Myocardial Infarction: Progress in 1998
北風 政史
1
,
朝倉 正紀
1
,
堀 正二
Masafumi Kitakaze
1
,
Masanori Asakura
1
,
Masatsugu Hori
1大阪大学大学院医学系研究科情報伝達医学病態情報内科学
1Osaka University Postgraduate School of Medicine and Therapeutics
pp.497-503
発行日 1999年5月15日
Published Date 1999/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901898
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急性心筋梗塞症をめぐる最近1年間の話題
急性心筋梗塞に対する治療としての血栓溶解療法や経皮的冠動脈形成術(direct PTCA)の登場とともに,急性心筋梗塞の院内死亡率が劇的に低下し生命予後も大きく改善した.しかし,心筋梗塞発症から病院到着までの死亡率は依然高いままであり,心筋梗塞における次の課題として「梗塞発症を予防する」という大テーマに研究者の目が向けられるようになってきている.
1.心筋梗塞と感染症
心筋梗塞発症を予防するために梗塞発症の病態の解明が必須であるが,梗塞発症に係る因子として最近注目されているのが心筋梗塞と炎症や感染との係りである.1997年にPhysicians�Health)Study(PHS)に参加した健康男性において,CRP上昇は心筋梗塞の発症リスクを3倍増加させると報告された1).1998年に健康女性においても心筋梗塞または脳梗塞の発症リスクを7倍増加させると報告され2),CRP上昇が心血管イベントの予測因子となりうることが示唆されている.
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