Japanese
English
特集 血小板と心疾患—その新展開
急性心筋梗塞例の線溶療法と血小板機能
Fibrinolvsis and Platelet Fuiiction in Acute Myocardial Infarction
服部 隆一
1
,
鷹津 良樹
2
Ryuichi Hattori
1
,
Yoshiki Takatsu
2
1京都大学医学部附属病院救急部
2兵庫県立尼崎病院内科
1Division of Emergency Medicine, Kyoto University Hospital
2Department of Internal Medicine, Hyogo Prefectural Amagasaki Hospital
pp.753-757
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900043
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
急性心筋梗塞の発症早期には,梗塞責任冠動脈は通常,血栓(フィブリン塊+赤血球+血小板凝集塊)により完全〜亜完全閉塞している.閉塞血栓の主体を成すフィブリンを溶解させて,閉塞冠動脈の再灌流を図る線溶療法の有効性が確認され,広く普及するに至った.本治療法は,薬剤を静脈から投与すれば,特別の設備,人員を必要とせず,素早く実施できる利点を有している.しかし,冠動脈形成術(PTCA)などの機械的再灌流療法に比べると,再開通率が低く,また再開通後の再閉塞の頻度が高いという課題を残している.この原因の一つとして,血小板の関与が考えられる.
本稿では,線溶療法とそれに伴う血小板機能変化について述べ,抗血小板併用療法について概説する.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.