Japanese
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特集 急性心筋梗塞治療の新展開—心筋保護の観点から
プレコンディショニングを如何に生かすか—基礎的観点から
Ischemic Preconditioning from the Viewpoint of Basic Science
北風 政史
1
,
朝倉 正紀
1
,
堀 正二
1
Masafumi Kitakaze
1
,
Masanori Asakura
1
,
Masatsugu Hori
1
1大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学
1Department of Internal Medicine and Therapeutics Osaka University Graduate School of Medicine
pp.837-841
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404902340
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はじめに
急性心筋梗塞は人類において最大の死因の一つであり,臨床医学における解決すべき重要課題であることはいうまでもない.急性心筋梗塞の最大の治療目標は,梗塞サイズ縮小・致死性不整脈減少による死亡率の減少である.さらに生命の質(QOL)を保つことも現在の臨床において重要なテーマであり,慢性期心血管リモデリングの抑制・慢性心不全の抑止が必要である.このため,PTCAなどを中心とたた再灌流療法やACE阻害薬,β遮断薬をはじめとたた様々な治療薬の開発がなされ臨床的に広く用いられている.その結果,急性心筋梗塞に対して一定の治療効果は得られたものの,多くの臨床家はその労力の割には治療効果が十分でないと理解しており,新しい再灌流時に併用する治療法の開発が望まれるところである.
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