Topics Respiration & Circulation
心不全に対する運動療法
伊藤 清治
1
,
赤石 誠
1
1北里研究所病院内科
pp.313-314
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901871
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■最近の動向 1963年WHOが心臓リハビリテーションの専門委員会を発足させた当時,心臓リハビリテーションとは,合併症のない急性心筋梗塞の回復期の患者が対象で,心室瘤形成や心破裂のリスク低下が目的であった.1995年のAHAのExercise Standardにおける運動療法の対象は①虚血による運動負荷試験異常,②狭心症,③心筋梗塞,④CABG(冠動脈バイパス術)後,⑤PTCA(経皮的冠動脈形成術)後,⑥心臓移植後,⑦心筋症(心不全を含む),⑧心臓弁膜症,⑨高血圧症,⑩ペースメーカー植え込み後に広がった.いわば,①不安定な虚血,②非代償性心不全,③コントロール不良の不整脈,④重症および症候性大動脈弁狭窄,⑤運動により増悪を認める病態などの禁忌がない限りどんな病態でも推奨されるということである.
慢性心不全に対する薬物療法は,近年めざましく変化し,アンジオテンシン変換酵素阻害薬とβ受容体遮断薬療法が心不全の標準的な治療法となった.しかし,心不全に対する運動療法は,多くの関心を集めているもののなかなか明確な結果が得られていない.
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