Topics Respiration & Circulation
ジゴキシンと心不全
赤石 誠
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
pp.1041-1042
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901579
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■最近の動向 心不全といえばジゴキシンによる治療が第一選択であると盲目的に考えられていた時代は過去のものとなり,ここ10年,洞調律の心不全にジゴキシンが本当に効果を有するのかという疑問が討議されてきた.最近,初めてのジゴキシンを用いた二重盲検前向き大規模研究が発表された.その結果をどのように評価するかは,個々の臨床医の経験に委ねられよう.
大規模研究の論文に加えて,ジゴキシンの強心作用が長期投与後にも持続しているのかということについて,心室ペーシングによる心不全モデルで検討した論文,自律神経へのジゴキシンの急性効果を検討した論文を紹介する.これらの研究が全ての真実を物語っているとは思えないが,私たちが漫然とジゴキシンを投与する際に,その機序を一つ一つ考えて使用することの重要性を再認識させる上で興味深い.
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