図解・病態のメカニズム—呼吸器疾患・3
気管支喘息
福田 健
1
1獨協医科大学呼吸器・アレルギー内科
pp.130-134
発行日 2001年1月10日
Published Date 2001/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907975
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はじめに
気管支喘息は発作性の呼吸困難,喘鳴を特徴とする疾患であり,気道の広範な閉塞によって起こる.気道は種々の刺激に対して反応性が高まった状態にある(気道過敏性).病理学的には,気管支粘膜への好酸球,Tリンパ球浸潤,気道粘膜上皮の剥離を主所見とした炎症が特徴的であり,この炎症は気道過敏性,気道閉塞の一因になっている(図1)1, 2).慢性患者では,気道上皮下基底膜の肥厚でみられるような器質的な変化,すなわち気道壁リモデリングが起こっており,気道閉塞は部分的に非可逆的となる.患者の2/3は室内塵,ブタクサ花粉など何らかの環境アレルゲンに対するIgE抗体をもち,これらの病因アレルゲンに曝露されると喘息発作が起こる.一般人口での喘息の有病率は3%前後である.
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