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特集 サーファクタント—最新の知見
サーファクタントと間質性肺疾患
Surfactant and Interstitial Lung Diseases
本田 泰人
1,2
Yasuhito Honda
1,2
1NTT札幌病院呼吸器内科
2現 札幌医科大学第3内科
1Department of Respiratory Medicine, NTT Sapporo Hospital
pp.549-553
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901491
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肺サーファクタントは肺胞II型上皮細胞(Type II cell)で産生される脂質—蛋白質複合体であり,肺胞腔に分泌されることにより肺胞の虚脱を防止する1).肺サーファクタントには,主要成分であるリン脂質以外に4種類のサーファクタント特異蛋白質(Surfactant protein;SP)が存在する2,3).SPは肺胞の虚脱防止作用以外に,肺胞における代謝調節作用および種々の生体防御機能をもつことが明らかになりつつあるが4),それらについては本特集の黒木による総説も参照されたい.間質性肺疾患は特発性間質性肺炎(IIP)に代表されるようにType II cellを含む肺胞のremod—elingを惹起する疾患であり5),肺サーファクタントの動態を明らかにすることでremodeling過程でのType II cellの変化を占うことが可能である.気管支肺胞洗浄法(BAL)が確立されてから肺サーファクタントの回収は容易となり,ヒト間質性肺疾患におけるサーファクタント変化が明らかになった.
本稿では,間質性肺疾患における肺サーファクタントの変化およびその臨床的意義をIIPを中心に述べる.
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