Japanese
English
特集 急性肺障害—薬物治療の可能性
サーファクタント
Surfactant
本田 泰人
1
,
阿部 庄作
1
Yasuhito Honda
1
,
Shosaku Abe
1
1札幌医科大学第三内科
1Third Department of Internal Medicine, Sapporo Medical University
pp.39-45
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900796
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はじめに
急性肺障害は成人呼吸窮迫症候群(Adult respi-ratory distress syndrome;ARDS)で代表され,種々の薬物,高濃度酸素などを用いた動物肺がARDSのモデルとして用いられている.急性肺障害においては,肺胞腔内のサーファクタント(Sarfactant;Sf)および肺胞Ⅱ型上皮細胞への直接的,間接的な障害などによりSf異常が起こり,肺機能障害を促進することが明らかにされている.ARDSの肺病変は臨床的,病理学的に新生児呼吸窮迫症候群(RDS)に類似し,また量的,質的なSfの変化が存在することから,Sf補充療法が治療法の一つとして検討されている.現在,Sf補充療法はARDSの動物モデルおよびARDS患者において精力的に試みられ,その有効性も確認されつつあるが,まだ適応,治療効果などで不明の点が多い.
本稿では,急性肺障害におけるSfの変化およびSf補充療法の現状と今後の展望について述べる.
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