Japanese
English
特集 サーファクタント—最新の知見
サーファクタントとマイクロメカニクス
Surfactant and Micromechanics
宮沢 直幹
1
,
鈴木 俊介
1
Naoki Miyazawa
1
,
Shunsuke Suzuki
1
1横浜市立大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Yokohama City University School of Medicine
pp.543-547
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901490
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はじめに
肺胞は肺胞の組織(肺胞隔壁)の弾性と,表面の空気—液界面(air-liquid interface)の表面張力がメカニカルなバランスをとることによりその形状を保っている.肺サーファクタントは,肺胞表面のair-liquid interfaceに存在して,表面張力を低下させることによりこのバランスを調節し,肺の虚脱を防止している.成人呼吸促迫症候群(ARDS)などのサーファクタント機能の低下した病的な状態ではこのバランスが崩れ,肺胞構造に変化が生じ,重篤な場合には肺胞の虚脱を引き起こす.肺胞レベルのマイクロメカニクスは,従来固定組織標本による形態計測を中心に研究されてきたが,近年ではButler,Suzukiらにより光散乱法の理論が確立1,2)され,生体内での肺胞構造の変化を検出することが可能となった.
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