今月の主題 自然免疫と生体防御レクチン
各論
間質性肺炎と肺サーファクタント蛋白質
高橋 弘毅
1
,
千葉 弘文
1
,
大塚 満雄
1
Hiroki TAKAHASHI
1
,
Hirohumi CHIBA
1
,
Mitsuo OTSUKA
1
1札幌医科大学医学部内科学第三講座
キーワード:
SP-A
,
SP-D
,
血清マーカー
,
特発性間質性肺炎
,
膠原病肺
Keyword:
SP-A
,
SP-D
,
血清マーカー
,
特発性間質性肺炎
,
膠原病肺
pp.899-903
発行日 2008年8月15日
Published Date 2008/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101670
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
間質性肺炎の診断は画像所見に依るところが大きい.しかし,約10年前に肺サーファクタント蛋白質SP-AとSP-Dが臨床検査法として臨床現場に導入され,診断精度は明らかに向上した.多臓器に普遍的に存在するLDHと異なり,SP-AとSP-Dは肺で主に産生されるため,血清値の上昇は肺病変の存在と進行を直接的に反映する.これらの特異的バイオマーカー検査が本疾患の早期発見,治療効果判定,予後予測に役立つ場面が増えつつある.また,画像診断と組み合せて使用することにより,診断効率が上昇することも知られている.さらに新知見として,SP-C遺伝子変異で発症する家族性間質性肺炎,自己抗体の出現と関連し悪化する間質性肺炎が明らかになった.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.