今月の臨床 Preterm PROM—34週までの問題点
PROMと新生児異常
27.人工サーファクタントの使い方
西島 光茂
1
Mitsushige Nishijima
1
1岩手医科大学産科婦人科講座
pp.216-218
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900316
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新生児呼吸窮迫症候群(RDS)に代表される新生児の呼吸循環適応障害は出生児の生命を直接脅かすだけでなく,長期予後にも重大な影響を与える。しかしわが国では,藤原らが世界に先駆けて開発した人工サーファクタント(Surfactant TA,サーファクテン)の経気道的補充療法の重症RDSに対する臨床効果が確認され,さらに今まで隠蔽されていたRDSのスペクトラムにおける種々の背景の相対的関与の程度が解明されつつあり,それまで知る事ができなかった多くの病態が明らかにされつつある1)。
今回の主題であるpreterm PROMは胎児新生児の肺の成長や成熟に関してメリットやデメリットが存在する。それらの個々の問題点に関しては,他稿で詳細に論ずることになっているので本稿ではRDSの病態生理と,治療として理論的なアプローチであるサーファクタント補充療法について述べる。
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