Japanese
English
特集 エンドセリン研究の新展開
エンドセリンとその受容体
Endothelins and their Receptors
今井 泰平
1
Taihei Imai
1
1東京医科歯科大学第2内科
12nd Department of Internal Medicine, Tokyo Medical and Dental University
pp.1019-1024
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901343
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
1988年,真崎・柳沢らにより発見されたエンドセリン(ET)はその強力で持続的な血管収縮作用と昇圧作用から,高血圧や血管攣縮の病態生理における役割が注目されてきた.ETにはET−1,ET−2およびET−3の3種のインペプチドが存在し,その受容体もETAとETBの2種類のサブタイプが知られている.さらに最近ET変換酵素(ECE)がクローニングされたが,それぞれのイソペプチドに特異的に作用するECE−1, ECE−2,ECE−3が存在するものと推定されている.ETイソペプチド,ECEおよびET受容体サブタイプは全身の広範な組織に発現し,オートクリン/パラクリン因子として主に局所で作用していると考えられている.しかし,生体内で実際にどのような役割を果たしているかについては不明な点が多い.
近年,ET受容体拮抗薬が数多く開発され,またETイソペプチドおよび受容体サブタイプの遺伝子ノックアウト動物が作製されていることにより生体内でのETの病態生理学的,発生学的役割が次第に解明されつつある.本稿ではETとその受容体についてその最新の知見を含めて概説する.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.