Japanese
English
綜説
肺線維症の発癌機序
Carcinogenesis in Pulmonary Fibrosis
小倉 剛
1,2
Takeshi Ogura
1,2
1徳島大学医学部第三内科
2国立療養所刀根山病院
1Department of Internal Medicine Ⅲ, School of Medicine, The University of Tokushima
2The Toneyama National Hospital
pp.743-751
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900906
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はじめに
線維化肺に肺癌が高率に合併することが注目されている.その機序についての明確な成績はみられないが,近年,肺組織の炎症による活性酸素の発生,損傷から修復過程における線維芽細胞の増殖や細胞外基質の構築におけるサイトカイン,成長/増殖因子の関与,などの生物学的反応が明らかにされつつある.一方,発癌から増殖の過程においても,これらの反応が果す役割が見出されつつある.
本稿では,肺の組織あるいは臓器としての特性を考えながら,上記のような観点から肺の線維化と肺癌の発症について概略を述べ,それら相互の関連性を考察したい.
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