Japanese
English
綜説
新しい核医学的手法による心筋の病態評価
Assessment of Myocardial Pathogenesis with New Radioisotopic Tracers
山辺 裕
1
,
横山 光宏
1
Hiroshi Yamabe
1
,
Mitsuhiro Yokoyama
1
1神戸大学医学部第一内科
1Department of Internal Medicine Ⅰ, Kobe University School of Medicine
pp.732-742
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900905
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はじめに
本邦における心臓核医学検査は,これまで201Tlと99mTcを主体とした限定された核種で行われてきた.それにもかかわらず,本法は各種心疾患の診断や病態の評価など広い範囲に利用されて,心疾患の臨床評価における不可欠の検査法として定着している.しかし,上記の核種を用いて得られる心筋血流,心機能,心筋梗塞イメージングの情報では近年ますます解明のすすみつつある心疾患の多彩な病態を評価するうえで限界があり,新しい核種の登場が望まれていた.このような背景のもとに,本邦でも1993年より心臓核医学検査における新核種が市販されるに到り,表1に挙げるようないくつかの核種が現在ならびに近い将来に利用可能となる.これらの核種を分類すると,99mTC標識心筋血流製剤(99mTC-MIBI,99mTc-Tetrofosmin,99mTc-Teboroxime),123Ⅰ標識脂肪酸製剤(123Ⅰ-BMIPP,123Ⅰ-IPPA),123Ⅰ標識心臓交感神経イメージング製剤(123Ⅰ-MIBG),111In標識傷害心筋イメージング製剤(111In-Antimyosin Antibody),67Ga血栓イメージング製剤(67Ca-Fibrinogen)である.
本稿ではこれら新核種の特質と,これらを用いてどのような心筋の病態の評価が可能となるか概説する.
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