Japanese
English
解説
CTによる肺気腫の診断
Importance of Computer Tomography for Diagnosis of Pulmonary Emphysema
山口 佳寿博
1
,
副島 研造
1
,
甲田 英一
2
Kazuhiro Yamaguchi
1
,
Kenzo Soejima
1
,
Eiichi Koda
2
1慶應義塾大学医学部内科
2慶應義塾大学医学部放射線科
1Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
2Department of Radiology, School of Medicine, Keio University
pp.555-564
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900878
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
肺気腫に関する近代的研究の歴史は古く19世紀の初めにLaennecによって始められた.その後の膨大な研究成果を基礎として,現在では肺気腫は“終末細気管支より末梢の気腔の不可逆的拡大であり,肺胞壁の破壊を伴う(ただし明らかな線維化を伴わない)状態”と病理学的に定義される1).このように肺気腫の確定診断には病理診断が不可欠であるが,コンピュータ断層(CT)を中心とする画像診断法の発達によって肺気腫で認められる病理形態変化の一部である“小葉内気腔の拡大”とその局在がある程度生前に判定できるようになった.
本稿では肺気腫の臨床診断に対するCTの有用性と限界について述べるとともに,CTによって診断される肺気腫と肺機能ならびに気腫性病変の生化学的マーカーとの関連について考察する.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.