Japanese
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Bedside Teaching
定量噴霧吸入器(MDI)のモニタリング—使用頻度記録装置(ATACOUNT)の試作と臨床使用の試み
Monitoring of the Use of Metered-dose Inhalers
長尾 光修
1
,
斉藤 元護
1
,
奥山 俊
1
,
内山 照雄
1
,
建部 鎮
2
Koshū Nagao
1
,
Gengo Saito
1
,
Suguru Okuyama
1
,
Teruo Uchiyama
1
,
Shizume Tatebe
2
1獨協医科大学越谷病院呼吸器内科
2シヅメメディカル
1Department of Respiratory Medicine, Koshigaya Hospital, Dokkyo University School of Medicine
2Shizume Medical Co., LTD
pp.565-570
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900879
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目的
近年,気管支喘息治療薬のおびただしい開発とその処方にもかかわらず喘息死は減少せず社会的にも注目されている.特に定量噴霧器(MDI)の使用頻度との関連を指摘する論文が散見される1,2).喘息患者の外来管理に関しては喘息の診断と管理のための国際委員会報告に引き続いて,日本アレルギー学会においても同様な診断と治療指針が作成された3〜5).それらによると,喘息患者の治療指導指針として一定時間内の吸入回数と最大呼気流量(PEF)の変化に主眼がおかれている.これは患者のMDI使用とPEFの改善度から患者の呼吸機能状態の改善あるいは悪化傾向を把握し重篤な状況に陥る前段階での早期受診を促すアルゴリズムであり,喘息死を未然に防ぐことをねらった治療指針である.したがって,吸入頻度とその使用間隔ならびにPEFなどの指標をいかに正確に測定記録し,かっその情報を活用し得るかが今後の喘息患者管理にとって重要な課題と考えられる.
著者も外来管理下にあった喘息患者の在宅死を経験し,家族から“吸入器をくわえたまま死んでおりました”と告げられ,この患者の処方内容を再検討したところ,1カ月に約10本ものMDI処方を行っていた.この症例を契機に,喘息患者の病状をより正確に把握する目的で,正確かつ簡便な吸入状況を記録する吸入頻度記録装置(ATACOUNT)を試作した.
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