Japanese
English
装置と方法
Starlingの式を基にし胸水産生・吸収の諸因子から胸水圧を求める関係式
An Equation to Obtain Pleural Liquid Pressure from the Starling Equation
六田 暉朗
1
,
谷田 信行
1
,
福井 康雄
1
,
斉藤 勢也
1
,
杉本 友則
1
,
三木 啓司
1
,
喜多 青三
1
Teruo Mutsuda
1
,
Nobuyuki Tanida
1
,
Yasuo Fukui
1
,
Seiya Saitou
1
,
Tomonori Sugimoto
1
,
Hiroshi Miki
1
,
Seizou Kita
1
1国立療養所東徳島病院外科
1Department of Surgery, National Sanatorium Higashi-Tokushima Hospital
pp.47-51
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900797
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はじめに
胸腔の胸膜間隙の潜在性胸腔圧は,胸水の産生と吸収のある一つの平衡状態の結果として生ずるとされている.Agostoniら1)は,この圧を肺の弾性収縮圧で示される胸腔内圧と区別すべきと控摘している.そして,その圧をpleural liquid pressure(PLiq)とし,実験的に測定し,またその値は胸腔における高さ,部位により異なることを報告している.
今日,PLiqは,胸膜毛細血管圧,濾過係数,血漿ならびに胸水の膠質浸透圧が関係するStar-lingの式に従う胸水の動きと,リンパ径路を通じての胸水吸収(この機構は胸水膠質浸透圧も下げる)から考えられている1).これらの圧,量は実験的に測定報告されているが,なお推測値もあり,また胸水吸収の部位など研究議論されているものもある1,4).これらの値(測定値,あるいは仮定値)の相互関係は,以前より模式図の中での計算から説明されているが2〜4),著者らの知る限りではなお一つの式で全体としての関係は示されていない.そこで,諸因子の相互関係を,Starlingの式を基に一つの関係式で示し,その考察をしやすくすることを試みた.
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