Japanese
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特集 急性肺障害—薬物治療の可能性
急性肺障害に対するプロテアーゼ・プロテアーゼインヒビターの役割
Acute Luna Injury:the roles of proteinases and their inhibitors
佐藤 一彦
1
,
花里 紀尚
1
,
佐藤 弘一
1
,
大西 正浩
1
,
吉良 枝郎
1
Kazuhiko Sato
1
,
Norinao Hanasato
1
,
Koichi Sato
1
,
Masahiro Ohnishi
1
,
Shiro Kira
1
1順天堂大学医学部呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Juntendo University School of Medicine
pp.31-38
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900795
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はじめに
1967年,Ashbaughらにより急性に発症する治療抵抗性の呼吸不全症例12例が“Acute Res-piratory Distress in adults”として報告された1).後にPettyら2)がこの病態をAdult Respi-ratory Distress Syndrome(ARDS)という概念でとらえることを提唱して以来,その病態解明,治療法に関して精力的な研究がなされてきた.
その基本病態は,肺微細血管内皮細胞のびまん性障害に伴う血管透過性亢進による非心原性肺水腫であり,また炎症細胞およびそれらから放出される障害因子が肺血管内皮細胞障害発生に重要な役割を果たしていることが明らかになってきた3).さらに病態を解明するために,いわゆる“重症”ARDS症例ばかりではなく,肺障害の初期変化と初期因子を解明する立場から,急性肺障害=Acute Lung lnjury(ALI)なる用語が用いられるようになった.
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