Japanese
English
装置と方法
人工心臓開発過程における模擬試験システムの応用
Application of Simulation System in Developing Artificial Heart
渡橋 和政
1
,
福永 信太郎
1
,
松浦 雄一郎
1
Kazumasa Orihashi
1
,
Shintaro Fukunaga
1
,
Yuichiro Matsuura
1
1広島大学医学部第一外科
1First Department of Surgery, Hiroshima University School of Medicine
pp.365-368
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900651
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緒言
人工心臓の開発研究には,医学と工学との緊密な協力関係が不可欠であることはいうまでもない.わが国では1988年4月に電気学会に電磁駆動型人工心臓調査専門委員会が発足し,1991年4月からは電磁駆動型人工心臓システム調査専門委員会が設置され,全国的な規模で工学と医学とが連携して完全植え込み型人工心臓の開発を行う試みが始まった1).試作された人工心臓の機能テストを行うにあたり,それをその都度実験動物に連結して検討する方法は,特に開発初期の段階においては得策とは考えられず,我々は模擬試験システムを用いて検討を行っている.模擬(シミュレーション)は,大規模で複雑なシステムを単純かつ明快なものとして代行することにより新たな知見を得るために用いられる.近年,コンピュータの飛躍的な発達により,より複雑なモデルを用いた,より生体に近似した模擬が可能となってきた2).生体の循環系は「大循環系(全身循環系)」および「小循環系(肺循環系)」に大別されるが,これらを電気回路システム3〜6)あるいは機械的循環システム7〜9)を用いて模擬することができる.
以下に,これまで報告された各種システムのうちから我々が人工心臓開発の際に実際に応用しているものを簡単に紹介する.
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