快人快説
人工赤血球の開発と臨床応用
酒井 宏水
1
,
奥田 千愛
1
,
久禮 智子
1
Hiromi SAKAI
1
,
Chie OKUDA
1
,
Tomoko KURE
1
1奈良県立医科大学 化学教室
pp.1139-1146
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201241
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はじめに
筆者らは,これまで人工赤血球〔ヘモグロビンベシクル(Hb-V)〕の研究開発を進めてきた1,2)。厚生労働科学研究(創薬基盤推進研究事業)や,日本医療研究開発機構(AMED)臨床研究治験推進研究事業(2015〜2017年)などとして推進され,研究班では,動物モデルを用いた酸素運搬機能の有効性,安全性について多角的に検討してきた3)。その結果から,赤血球輸血の代替物として臨床応用の段階にきていると考えている。本稿では,これまでに明らかになっている人工赤血球の有効性のほか,赤血球輸血では対処できない疾患の治療への応用の可能性について概説する。
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