Japanese
English
Bedside Teaching
ペースメーカーモードの選択・1
Selection of Pacing Mode・1
梅村 純
1
,
大西 哲
1
,
笠貫 宏
1
,
細田 瑳一
1
Jun Umemura
1
,
Satoshi Ohnishi
1
,
Hiroshi Kasanuki
1
,
Saichi Hosoda
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所内科
1Department of Cardiovascular Medicine, Tokyo Women's Medical College The Heart Institute of Japan
pp.349-355
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900649
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はじめに
最近のペースメーカーは,より生理的に,高性能に,小型化に進んでいる.そのため,ペースメーカーは単にAdams-Stokes発作の予防のみならず,積極的にquality of lifeの改善をめざし選択されるようになった.心房・心室ユニバーサル(DDD)ペースメーカー,レート応答型(rate responsive)ペースメーカー,さらにはrate responsive DDDペースメーカーが一般に使用されるようになり,単純なる心室抑制型(VVI)ペースメーカーを選択する機会は減少した.一方,高性能ゆえの問題点も出現するようになった.またペースメーカーは徐脈性不整脈だけでなく,頻拍性不整脈に対しても用いられ,発作性上室性頻拍症に対する抗頻拍ペースメーカーの有効性は確立している.持続型心室頻拍に対する抗頻拍機能を有し,back-up pacing機能を有する植え込み型除細動器(ICD)も現在治験中である.将来,経静脈的リードを用い,内科医の手でペースメーカーと同様,胸壁にICDを植え込むことも可能になると考えられる.
このように高性能化されていくペースメーカーにおいて生理的ペーシングの重要性は以前から認識されている.しかし,実際には現在でも米国では70%に最も単純なVVI(R)ペースメーカーが選択されており,英国においても78%はレート固定式のVVIペースメーカーである.
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