Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1985年Elmquistが植込み型ペースメーカーの臨床応用を行って以来,現在までに30年が経過したが,心臓ペースメーカーの進歩はめざましい。パルス発生装置(generator)は,初期の固定レート型(VOO)より,デマンド型(VVI)に変わり,水銀電池から,リチウム電池に改良され,電池の寿命延長,小型軽量化が行われて来た、1980年代には,エレクトロニクスの進歩により,植込み後に,体外より非侵襲的にペースメーカーのパルスレート(pulse rate),パルス幅(pulse width),パルス振幅(pulse amplitude),感度(sensitivity),モード(mode),不応期(refractory period)などのペースメーカーの機能を変更でき,さらには,ペースメーカーの機能や生体の情報をテレメトリー(telemetry)できるmultiprogram—mable pacemakerが広く普及した。従来ペースメーカーは房室ブロック患者の救命を目的とした心室へ一シング(VVI)が主体であったが,現在は洞不全症候群に対する心房ペーシング(AAI),房室ブロック患者に対する心房-心室順次ペーシングのDDD)等の生理的ペーシングが普及しつつある。また生体の需要に応じて,パルスレートを調節しようとするレート応答型ペースメーカー(rate responsive pacemalker)が臨床応用されるようになり,現在のペースメーカー治療は,生活の質("qualityof life")の向上をめざすようになった1)。さらに抗頻拍ペースメーカー(antitachycardia pacemaker)の使用により,徐脈のみでなく,発作性上室性頻拍などの頻拍の治療も可能になった2)。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.