Japanese
English
特集 心不全における臓器相関
重症心不全と肝機能障害
Severe Heart Failure and Liver Dysfunction
奥田 博明
1
,
安島 豊子
1
,
小幡 裕
1
Hiroaki Okuda
1
,
Toyoko Ajima
1
,
Hiroshi Obata
1
1東京女子医科大学消化器内科
1Division of Medicine, Institute of Gastroenterology, Tokyo Women's Medical College
pp.233-238
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900436
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はじめに
1833年Kiemanが心不全により死亡した患者の剖検例において,うっ血による肉豆蒄肝nutmeg liverの組織学的記載をしたのが最初であるが,その後,心疾患時の肝変化に関する研究は種々の変遷をたどっている.1930年Jolliffe1)は16例のうっ血性心不全患者の肝機能検査で,T-BilとBSPの異常が高率にみられると記載している.その後,うっ血性心不全の肝機能および組織像の変化の検討は1950年代から60年代前半の近代的肝機能検査普及の時代に精力的になされ2-5),その臨床像はほぼ明らかにされているが,以後の報告は散発的で6),そのメカニズムの詳細はまだ解明されていない.ここでは心不全を大きく急性循環不全とうっ血性心不全に分けて述べてみる.
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