今月の主題 血栓症とDIC
DIC
重症肝不全における出血傾向とDIC
藤原 研司
1
,
持田 智
1
1埼玉医科大学第3内科
pp.1357-1359
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905195
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●肝不全時のDICは,消化管出血をはじめとする重篤な出血症状を惹起し,その予後を規定する.特に,急性肝不全では合併頻度が高く,これを肝類洞を場として成立した場合は微小循環障害を生じ,広汎肝壊死の原因にもなる.
●早期診断が望まれるが,一時点で判定するのは困難である.末梢血血小板数や血液製剤投与前後での分子マーカーの変動を評価することが重要である.
●治療に際しては,ヘパリンなどアンチトロンビンⅢ依存性薬剤は禁忌であり,血液製剤により抗凝固活性を高めることと,アンチトロンビンⅢ非依存性薬剤を併用することが第一選択となる.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.