Japanese
English
特集 心不全における臓器相関
重症心不全と呼吸障害
Severe Cardiac Failure and Respiratory Dysfunction
平澤 博之
1
,
菅井 桂雄
1
,
大竹 喜雄
1
,
織田 成人
1
Hiroyuki Hirasawa
1
,
Takao Sugai
1
,
Yoshio Ohtake
1
,
Shigeto Oda
1
1千葉大学医学部救急部・集中治療部
1Department of Emergency and Critical Care Medicine, Chiba University School of Medicine
pp.209-214
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900433
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はじめに
心不全における臓器相関というタイトルのもとでの,重症心不全と呼吸障害を論ずる場合,取り上げなければならない病態や疾患は多数ある.もちろん左心不全が原因で肺鬱血をきたし,呼吸障害が発症する場合がその典型であるが,逆に呼吸障害のために心不全が発症する場合もあり,肺性心(Cor Pulmonare)がその典型である.またなんらかの重篤な全身的侵襲(たとえば敗血症)により,呼吸と循環が同時にお互いに悪影響を与えながら,次第に機能障害を発症し,それが増悪していき,ついには多臓器不全(multiple organ failure, MOF)に進展してしまう場合もある.
さらに,従来は臓器相関というと,各臓器の病態が他の臓器に悪影響を及ぼす場合を想定していたが,最近の集中治療の進歩,あるいは複雑化にともない,特定の臓器に対する治療そのものが他の臓器に悪影響を与えるというような現象が,特にICUで治療を受けているMOFのような重症患者において,しばしば観察されるようになり,これも広い意味での臓器相関として問題となっている1).
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