Japanese
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特集 心不全における臓器相関
重症心不全と造血機能障害
Heart Failure and Hematological Disorders
藤岡 達雄
1
Fujioka Tatsuo
1
1武田病院循環器内科
1Department of Cardiology, Takeda Hospital
pp.239-244
発行日 1992年3月15日
Published Date 1992/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900437
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はじめに
重症心不全による造血機能障害としては主に重症右心不全により脾機能亢進をきたし,結果として3血球成分のいずれか,あるいは汎血球減少をきたしてくることが臨床上最も重要な障害と考えられる.このために出血,感染など生命予後に重大な影響を受ける例がある.心不全における血小板減少症の報告は散見される1-4)が,うっ血性脾腫による脾機能亢進が原因で汎血球減少をきたした症例の詳細な報告5,6)は少なく,またその発症機序についても不明な点が多い.そこで本稿では脾機能亢進症について概説し,右心不全による脾機能亢進の発症機序について述べ,最後に自験例においてその臨床的意義について説明を加えた.
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