原疾患と合併症に合わせた透析導入と透析維持
重症心不全
林 義満
1
,
中山 昌明
1福島県立医科大学 腎臓高血圧・糖尿病内分泌代謝内科
キーワード:
血液透析
,
心不全
,
腎不全-慢性
,
腹膜透析
,
利尿剤
,
病勢悪化
,
Icodextrin
Keyword:
Diuretics
,
Heart Failure
,
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Peritoneal Dialysis
,
Disease Progression
,
Icodextrin
pp.1137-1143
発行日 2014年8月10日
Published Date 2014/8/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2014338206
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重症心不全の腎機能低下例は,保存的治療のみでは予後不良であるが,腹膜透析(PD)の緩徐な除水により心不全症状の改善をもたらすことが報告されている.イコデキストリン透析液は,患者の腹膜機能に依存せずに夜間長時間貯留でも除水が得られるため,イコデキストリン透析液を用いたincremental PDは,残存腎機能を有している心不全には効果的である.しかし,残存腎機能が消失してきた場合のPDは血液透析(HD)よりむしろ心不全が増悪する例があり,HDでは除水後の血圧低下が問題となる.本邦ではPD+HD併用が認められており,PDで緩徐に除水し,HDで適正体重を微調整することが可能であり,腎不全合併の重症心不全には有効な治療である.
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