Japanese
English
特集 循環器疾患と遺伝子
遺伝子工学利用による薬剤生産
Production of Drug by Gene:engineering
上嶋 繁
1
,
松尾 理
1
Shigeru Ueshima
1
,
Osamu Matsuo
1
1近畿大学医学部第二生理学教室
1Department of Physiology Kinki University School of Medicine
pp.243-250
発行日 1991年3月15日
Published Date 1991/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900238
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はじめに
生物の遺伝情報は,二重らせん構造を持つDNAの塩基配列によって決められている.そして,全ての生物はDNAの塩基配列を自己複製するとともにmRNAへ転写してその塩基配列により指定されたアミノ酸を順序正しく配置して必要な蛋白質を生合成している.自然界に存在するこの永遠の法則を人為的に利用する遺伝子工学の発展に伴い,生物(発現細胞)に目的とする蛋白質を合成(発現)させる遺伝子組換え技術が確立された.
一方,医学の進歩により,ヒトの生体内には種々の生理活性蛋白質が存在し機能していることが明らかとなった.しかし,精製材料の入手や精製に必要なコストの面から,これらの蛋白質を薬剤として製品化することは困難を極めた.そこへこの遺伝子組換え技術が登場し,ヒト由来の生理活性蛋白質を薬剤として生産することが可能となったのである.
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