Japanese
English
装置と方法
指示薬稀釈法の理論と臨床応用における問題点
The theory of indicator dilution method and important problems noted in its clinical application
谷口 興一
1
Koichi Taniguchi
1
1東京医科歯科大学第2内科
1The 2nd Department of Internal Medicine, Tokyo Medical and Dental University School of Medicine
pp.147-152
発行日 1990年2月15日
Published Date 1990/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900097
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指示薬稀釈法indicator dilution methodは,血行循環中に注入された指示薬が血液によって稀釈されていく過程を記録する方法であり,心拍出量や循環時間の測定に広く用いられている。本法は,基礎実験に基づいたStewart1,2)による心拍出量測定法を嚆矢とするが,その後Harniltonら3,4)の研究により理論と実施法が完成され,臨床に繁用されている。近年,コンピュータの導入により,指示薬稀釈法による心拍出量の値がon-lineでdisplayされるため,安易に考えられ,あたかも欠点のない最高の方法であるかのように用いられている傾向にある。1989年,第54回日本循環器学会総会の運動負荷のセクションにおいても,熱稀釈法があたかも心拍出量測定の最も正確な原法であると誤解している報告者が少なからず認められた。今回,指示薬稀釈法の理論と臨床応用における問題点について原稿依頼を受けたので,そのpitfallに関して言及してみたい。
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