Japanese
English
原著
アスコルビン酸使用による指示薬稀釈法
Ascorbate Dilution Technique.
藤本 淳
1
,
中田 健
1
Kiyoshi Fujimoto
1
,
Takeshi Nakada
1
1大阪大学医学部武田外科
11st Dept. of Surgery, School of Medicine, University of Osaka.
pp.315-318
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201438
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はじめに
色素や放射性物質などの指示薬を使用する指示薬稀釈法(indicator dilution method)は循環系の病態生理の研究や循環器疾患の診断には必須の検査法の一つになっている。この方法の理論と実際については1962年のAmerican Heart Association monographにまとめられ,その価値については多言を要しない。著者の1人藤本は1960年に肺循環の研究において色素を用いて真の肺血量の算出を行なった7)。しかし,わが国におけるこの方面の開発は遅く,臨床のroutine me—thodとしてとりあげている施設は少ないようである。この理由は測定法としてのdetectorが特殊で,記録曲線の解析にも難点があった事にもよるであろう。しかし最近開発されたアルコルビン酸による方法(ascorbate dilution technique)は従来の各種の方法と比較して装置も簡単で容易に行なえることを経験した。この方法は1959年Clarkが直接血流内に挿入した白金電極をdetec—torとして各種の還元物資を指示薬として行なう稀釈法を研究し,アスコルビン酸塩を用いる装置を発炎した1)。1961年にFrommerが臨床的に安全に使用される回路を杉案し臨床応用の成績を発表した2)。ここでは本方法の装置および臨床使用の実際についてわれわれの実施経験をのべる。
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