Japanese
English
特集 血小板と心疾患—その新展開
インターベンションと再狭窄
Interventional Therapy and Restenosis
成子 隆彦
1
,
土師 一夫
1
Takahiko Naruko
1
,
Kazuo Haze
1
1大阪市立総合医療センター循環器内科
1Department of Cardiology, Osaka City General Hospital
pp.769-773
発行日 1997年8月15日
Published Date 1997/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900045
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はじめに
経皮的冠動脈形成術(PTCA)はGrüntzig1)により初めて臨床応用されて以来20年が経過し,今日では冠動脈硬化症に対する有効な治療法としてほぼ確立された.その後,PTCAに加えて,アテレクトミー,ステントなどの新しいデバイスも使用されるようになり,インターベンション治療はますます広く普及してきている.
しかし,冠動脈硬化症に対するインターベンション治療の最大の問題点は,依然として再狭窄である.従来,PTCA後再狭窄の主因は新生内膜増殖による内腔の新たな狭窄と考えられてきた2,3).しかし,血管内エコー法を用いた研究により,PTCA部位における血管径の収縮(con—strictive remodeling)が再狭窄発現に関与することが指摘された4,5).さらに,ステント留置術施行例の増加に伴い,ステント留置後再狭窄も臨床上の新たな問題になってきている6〜8).これまでわれわれは,大阪市立大学第1病理上田らとの共司研究にて97例のPTCA後剖検例および18例(21部位)のステント留置後剖検例を検索し,その機序について検討してきた9〜19).
本稿では,この研究成果を基に,PTCA後再狭窄とステント留置後再狭窄の機序と血小板との関係について概説する.
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