Topics Respiration & Circulation
生命維持治療継続の是非(decision-making)
赤柴 恒人
1
1日本大学医学部第一内科
pp.885-886
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404900018
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■最近の動向 人工呼吸管理を中心とした救命救急医療(Critical care medicine)が果たした医学への貢献は疑いがなく,その存在の重要性は今後さらに高まって行くと考えられるが,反面,回復の見込みのない患者に対する対応,進行した慢性疾患患者の急性増悪時の対応などに関し,人工呼吸器装着を含めた生命維持のための医療をどうすべきかが,Critical careの先進国たる欧米において大きな問題になりつつある.1970年代にもちあがった有名なカレン—アン嬢のケースは,医学面だけでなく社会的にも大きな問題となり,その後,米国では,この問題に関していくつかの基本的な考え方が示されているようであるが,極めて微妙な問題で,かつ医学的な要素以外のものが関与する可能性があるため,通常のガイドラインのようにクリアカットに割り切れないのが現状のようである.Criti—cal careをリードしてきた米国ならではの問題とも考えられるが,今後わが国でも当然起こってくる問題であり留意する必要があろう.
最近,発表されたカナダとオランダでのCOPD患者,ICU患者,一般患者のdecision-makingに関する報告を紹介する.
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