患者の論理・医者の論理(第4回)
Shared decision makingにおける諸問題
新保 卓郎
1
1京都大学医学部附属病院総合診療科
pp.638-641
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100661
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日々診療をしていて心にひっかかることを,この機会に整理したい.Cohen-Coleは,医療面接の3つの機能として,情報を得る,良好な関係を築く,療養指導,を取り上げた.それとはやや異なるコミュニケーションの問題として,shared decision makingを今回は取り上げる.医療面接は医学教育のなかで最近強調されているが,そのなかでもこのことはあまり取り入れられていないようにみえる.しかし,医師の大きな仕事であろう.ここでは医師は,患者に事実や情報を伝え,患者の価値観を確認し,決断に関して合意に達し,同時に不確実な状況下での受容・希望・コントロール感などを伝えたいと思うだろう.それぞれの場面でどのような問題がありうるのか? 系統的ではなく,気ままに随想的に記述したのでご容赦いただきたい.
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