Japanese
English
Bedside Teaching
食後高脂血症
Postprandial Hyperlipidemia
石井 秀人
1
,
吉田 雅幸
1
Hideto Ishii
1
,
Masayuki Yoshida
1
1東京医科歯科大学先進倫理医科学
1Life Science and Bioethics Research Center, Tokyo Medical and Dental University
pp.623-630
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205982
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はじめに
動脈硬化性心血管疾患を予防するためにはコレステロール値を低下させる必要があることは多くのエビデンスが示している.現在までのエビデンスからは総コレステロール(TC)値を25〜30%低下させると心血管イベントが30%程度減少すると考えられている.わが国でも2012年に日本動脈硬化学会が提示した「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」でも20〜30%のLDLコレステロール(LDL-C)低下を目標とすることも考慮すると記載されている1).しかしながら,先述したようにTC値を25〜30%低下させても心血管イベントが30%程度減少するにすぎず,現実にはまだ動脈硬化性心疾患発症リスクが残っているのである.これをResidual Risk(残余リスク)といい,HDLコレステロール(HDL-C)や中性脂肪〔トリグリセライド(TG)〕などによるリスクがあると考えられる.食後高脂血症はこのResidual Riskの一つと考えられる.
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