Japanese
English
Bedside Teaching
食後高脂血症の病態と治療
Postprandial Hyperlipidemia:its mechanism and treatments
増田 大作
1
Daisaku Masuda
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
1Department of Cardiovascular Medicine, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.70-79
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102137
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はじめに
空腹時高中性脂肪(TG)血症は虚血性心疾患をはじめとする動脈硬化性疾患罹患率と強く相関するが,この背景にはレムナント蓄積を背景とした食後高脂血症(postprandial hyperlipidemia)が存在する.これは,食後に小腸から産生されるTGリッチリポ蛋白であるカイロミクロンの代謝異常によって出現し,食後のカイロミクロンレムナントの蓄積およびVLDLの産生亢進により高TG血症が食後,空腹時問わず遷延する.この原因としてインスリン抵抗性を背景とした小腸からのカイロミクロンの産生亢進とLPLによる水解障害が考えられており,このカイロミクロンレムナントは動脈硬化プラークに直接侵入し,マクロファージの泡沫化やプラーク破たんなどに関わる様々な分子に悪影響を与える.この食後高脂血症の治療としては食事療法のみならず,ストロングスタチンやフィブラート,コレステロール吸収抑制薬エゼチミブなどが有効である.
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