Japanese
English
特集 呼吸器疾患における慢性炎症を考える
COPDにおける慢性炎症
Chronic Inflammation in COPD
玄山 宗到
1
,
平田 陽彦
1
,
武田 吉人
1
Muneyoshi Kuroyama
1
,
Haruhiko Hirata
1
,
Yoshito Takeda
1
1大阪大学大学院医学研研究科呼吸器・免疫アレルギー内科学
1Department of Respiratory Medicine, Allergy and Rhematic Disease, Graduate School of Medicine, Osaka University
pp.137-143
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205899
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はじめに
近年,COPDは肺だけでなく全身性疾患として捉えることが強調され,心血管疾患や糖尿病などの他の生活習慣病にも影響しうる疾患として,その重要性がますます高まりつつある.喫煙や大気汚染が原因とされる肺の炎症性疾患COPDは,肺内の長引く炎症が全身に波及するために,心血管疾患,糖尿病や骨粗鬆症などを高率に合併する全身性炎症性症候群とみなされている.さらにCOPDは,多くの生活習慣病の発症基盤となっている老化と密接に関連することから老化促進肺とみなされ,その老化の主病態もまた全身性の慢性炎症である.しかし,慢性炎症に関しては,その定義だけでなく,病態への関与や治療標的になりうるのかなど解決すべき問題点は多い.そもそも炎症をどのように捉えるかという問題は,慢性炎症性疾患における喫緊の課題である.そこで本章では,炎症(慢性炎症)の捉え方に視点をおいて,従来法の限界と新しい炎症の捉え方,さらにわれわれが取り組んでいる新たな視点:エクソソームによる新規(炎症)バイオマーカーの探索についても紹介させて頂く.
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