Japanese
English
特集 COPD治療のさらなる展開を目指す―ガイドライン第4版を巡って
COPD慢性炎症における獲得免疫
Adaptive Immunity in the Chronic Inflammation in COPD
花岡 正幸
1
Masayuki Hanaoka
1
1信州大学医学部内科学第一講座
1First Department of Medicine, Shinshu University School of Medicine
pp.128-134
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102403
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はじめに
COPDは“タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患”と定義され,この炎症は禁煙後も遷延し,慢性化する.タバコ煙に対する肺の免疫反応は,自然免疫と獲得免疫の双方から成り,あらゆる種類の細胞浸潤をもたらす.一方,COPDの慢性炎症の主役はリンパ球であり,獲得免疫が関与し,病勢は進行する.表1に自然免疫と獲得免疫の相違を整理した.さらに以下のような理由から,COPDにおける自己免疫機序の関与が指摘されている.
①喫煙者の一部がCOPDを発症する.
②しばしば増悪を起こし,原因がはっきりしない.
③全身性疾患である.
本稿では,COPDの慢性炎症における獲得免疫の役割と,自己免疫疾患としての側面に関し,概説する.
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