Japanese
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特集 COPD治療のさらなる展開を目指す―ガイドライン第4版を巡って
COPD慢性炎症へのマクロファージの関与
Macrophage and Chronic Inflammation in COPD
峰松 直人
1,2
,
別役 智子
1
Naoto Minematsu
1,2
,
Tomoko Betsuyaku
1
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科
2日野市立病院内科
1Division of Pulmonary Medicine, Keio University School of Medicine
2Department of Internal Medicine, Hino Municipal Hospital
pp.121-127
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102402
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はじめに
マクロファージ(MΦ)は血流中の単球が組織特異的に分化した免疫担当細胞であり,肺胞MΦ,腹腔MΦ,肝臓におけるKuffer cellなどのほか,神経組織microgliaや皮膚Langerhance cellも組織特異的MΦと考えられている.好中球やリンパ球など他の炎症細胞と異なるMΦの特徴の一つは最終分化してからも微小環境に応じて表現形(フェノタイプ)を変化させることである1,2).活性酸素やプロテアーゼ,炎症性サイトカイン産生など炎症惹起の面に焦点が当てられることが多いMΦであるが,相対して炎症を制御,抑制することも重要な役割の一つである.
近年のin vitroでの検討によりMΦはM1/M2フェノタイプ,さらにはその亜型に分類されている.炎症の制御,慢性化を考えるにあたりMΦフェノタイプの概念は一つの理解をもたらしつつあり,本稿では慢性炎症におけるMΦフェノタイプについて概説する.
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